介護の悩み

【看護師と介護士】良好な関係を作る、5つのポイント

看護師と介護士、あなたの職場に「壁」はある?

介護施設は、介護職・看護師・PT・OT・ケアマネジャーなど、多くの職種が混在している環境です。中でも、接する頻度が多い介護士と看護師の間には、しばしば壁や対立が発生することも…。今回は、介護士が看護師と良好な関係を築くポイントを考えてみます。

介護士・看護師、互いに不満を抱えている

介護・看護の不満
違う職種ではあるけれど、介護士も看護師も同じ職場で働く仲間。職種の垣根を越えて協力し合えれば理想ですが、両者の間には溝ができる場合が多いようです。お互いに、どのような不満を抱えているのでしょうか。

介護士⇒看護師への不満

介護士から看護師への不満
「看護師>介護士」の意識が強い看護師
「あなた達は看護の仕事はできないわ!でも看護は介護もできるスペシャリストよ!」と当時の看護師長が言ってました。その言葉未だに忘れません…。(中略)そんなに介護が何も出来ないならみんな看護師が介護をし、そうしたら医療行為もできるんだからいいじゃんか!
出典:けあとも
病院・医療の基準でのみ考える看護師
うちの看護師は、とにかく口癖が「病院ならこうする」「病院ではしない」とユニット型の特養なのに、病院を基準に考えているようです。ショートでもちょっと熱が出ただけで、退所の方向に持って行こうとします。家族の介護の軽減はさらさら頭に無いようです。
出典:けあとも

介護士からは、看護師の高圧的な言動介護士を下に見る態度、介護の仕事を一切手伝わない姿勢に対して不満の声が多く挙がっています。

看護師⇒介護士への不満

看護師から介護士への不満
介護士が看護師の指示を無視する
私の職場は ナースより介護職に決定権があります。ナースがこうしてくださいと指示を出したり こんなやり方ではまずいよと言うと だから何言いたい訳? と言い出す始末 結果的に聞く耳持たず…悲しくなりましたよ。
出典:看護師お悩み相談室

一方で看護師からは、介護士が医療行為に介入する言動や、看護師の指示を尊重しない姿勢に対して、不満があるようです。

なぜ看護師と介護士は対立しやすいのか?

看護師と介護士の間に対立が起きやすい原因としては、主に下記の原因が考えられます。

1. 「看護師>介護士」の誤った認識

一部の看護師は、「看護師は介護士より上」という意識を持ち、介護士に対して露骨に威圧的な言動をとりがち。医療の知識を持ち、介護士にはできない医療行為を行えることに、優越感を持つ看護師もいるのでしょう。(この裏返しで、看護師に劣等感を抱く介護士も)別職種であり、専門領域も異なるのだから、決して「介護士より看護師が偉い」なんてことはありません。

2. 看護師は医療面重視、介護士は生活面重視

看護師は、介護施設で働く前に医療現場で経験を積んでいます。長年、治療が重視される医療現場に身を置いてきた看護師は、医療的な考えを優先して利用者に接する傾向が強くなります。この点も、介護施設を利用者の「生活の場」と考える介護士の反発を招く一因です。

3. 収入面での格差

厚生労働省の統計によると、看護師の平均年収は、介護職と比べて約150~170万円程度上回っています。(厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」)「看護師は介護の仕事を一切手伝ってくれない」「汚い仕事は全て介護に押し付ける」等、日頃から不満を持つ介護士にとっては、資格や医療知識の量が異なるとはいえ、待遇が歴然と異なる現実は受け入れ難いものでしょう。

看護師と介護士、良好な関係を作るポイント

看護師と気持ち良く働くために、介護士はどのようなアプローチをしていけば良いでしょうか。看護師と良好な関係を築いていくためのポイントを5つまとめてみました。

1. 医療専門職としての看護師の意見を尊重する

看護師を尊重
介護士は介護のプロ。看護師は看護のプロ。医療面については、自己判断をせず、看護師の意見を尊重する姿勢が大切です。介護施設で利用者の最も近くにいる介護士は、利用者の日常生活・基本情報に通じています。利用者さんの状態を間近で観察できる介護士だからこそ、健康上の不安に気づける場合も多いはず。その役割に誇りを持ちつつ、医療面の判断は看護師を頼りましょう。

2. 介護現場で必要な医療知識を学ぶ姿勢を持つ

医療の知識
医療と介護との連携強化のためには、介護士にも前提となる最低限の医療知識は必要です。職場での勉強会を提案する、看護師への申し送りの際、どのような点をまとめればスムーズに判断できるか、看護師自身に相談する等。日々の業務との兼ね合いもあるので、無理なくできる所から始められると良いですね。

3. 臆せずに、看護師に意見や要望を伝える

質問
「看護師の威圧的な態度に怯んでしまう」「いつも忙しそうで質問しづらい」と悩む介護士の方も多いでしょう。ですが、看護師も利用者の詳しい情報知りたいと思っています。「○○さんのことで相談があります。いつならお時間取れますか?」等、相手の都合に配慮した上で、ぜひ臆せずに相談を。

4. 看護師と話す時は、「根拠」を示す

根拠
看護師は、医学的・科学的根拠とケアの関係を徹底的に学んできたため、主観的で因果関係を感じられない発言には厳しく接する傾向があります。看護師と話す時は、根拠を示すこと・その努力をすることで、親身に相談に乗ってもらえる可能性が高まります。

5. 利用者を第一に考えられているかを見直す

協調
職種が異なれば、意見が異なるのは自然なこと。ですが、その意見の対立が「利用者中心」の視点から離れてしまっていませんか。利用者が一番必要としていることは何か? そのためにお互いが何をできるか? どうしたら利用者がより良い生活を送れるか? 原点に立ち返って、協調を求めるために呼びかけてみましょう。

まとめ

歩み寄り
今回は、看護師と良好な関係を築くために、介護士が意識したいポイントについてご紹介しました。もちろん介護士のみが努力すべき問題ではなく、看護師サイドの介護現場への理解、看護師から介護士への歩み寄りも不可欠です。
看護職は、介護職を下に見ないこと。介護士は、看護師に劣等感を持たないこと。利用者を最優先する視点で意見を言い合い、歩み寄ること。理想論かもしれないけれど、介護士と看護職が良好な関係を作るには、この3つが大切ではないでしょうか。

ABOUT ME
介護のお仕事研究所(care)
介護職やケアマネなどの介護業界専門の求人情報サイト「ケア求人ナビ」です。「介護のお仕事研究所」は、現場で働く介護職のためのメディアとして運営しています。お役立ち情報や最新の求人情報は各SNSでも最新情報を受け取れます!