アベノミクスで掲げられた「新・三本の矢」こと三つの目標。そのうちの一つに、「介護離職ゼロ」があることは、皆さんもご存じだと思います。
この目標を達成するためにどう施策を進めていくのかまとめた「ニッポン1億総活躍プラン」が、先日2016年5月18日、8回目となる1億総活躍国民会議にて議論されました。

これから先、政府は介護業界をどのように変えていく方針なのでしょうか?
プランで語られた「介護の環境整備」についてご紹介いたします。

「月1万相当」の待遇改善!?

政府が打ち出したプランの中では、「介護離職ゼロ」に向けて介護職の処遇を改善する方針が記述されています。
それによれば、介護職と競合他産業との賃金差をなくすため、平成29 年度(2017 年度)からキャリアアップの仕組みを構築。介護職の給金を月額平均1万円相当改善するとされています。
なおこの改善については、介護保険制度の下で対応することを基本に、予算編成過程で検討されるようです。
介護保険制度の更新は3年に一度であり、次の改正は2018年になります。報酬や保険料の見直しサイクルは原則的に変わりませんので、改善が反映されるのもおそらく2018年からになるでしょう。

つまり2017年度の一年間は、何か臨時的な措置が必要になると思われます。公費の財源については、来年度予算の編成過程で協議される予定です。

そのほかは多様な介護人材の確保・育成に向けた制度の充実や人材活用、介護ロボットや ICTといった新技術の活用などが挙げられています。
また改正介護休業制度の着実な実施や、介護休業の取得促進に関する周知・啓発の強化を行うなど、仕事と介護の両立が可能な働き方の普及を促進していくとのことです。
しかし「1万円相当って何?そのために何を見直すの?」「キャリアアップの仕組みって?どんなビジョンがあるの?」など、どの施策をとっても具体的なことが記述されていないのが惜しいところ。2017年に必要な臨時措置に関しても、どのような計画を立てるのか明言されていません。
今の段階では、まだまだ不安を感じる面が大きいですね。

現場の声がどこまで活きるのか

今回の国民会議では、本会議とは別に全国4ヶ所での実現対話が開催されました。そこには介護事業を営む法人代表も登壇し、懇談会では地域の「認知症家族介護者の会」代表や包括の職員も出席。
意見交換会では、現場での画期的な取り組みを行う若手リーダーのプレゼンもなされました。
このように、現場からのヒアリングにもそれなりに時間が割かれています。しかしその上で、まだまだ設定された目標が不明瞭なのも事実です。
机上の空論ではないにせよ、ただ話を聞いただけになってしまっていてはあまりにもったいないですね。ヒアリングの次はアセスメント、課題解決に向けての計画をきちんと立ててほしいもの。
政府が現場の介護職の声をどこまで活かして、具体的な施策に繋げられるのか。それが今後、アベノミクスへの注目ポイントとなりそうです。

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