介護の転職

キャリアアップを狙うなら、方向性をきちんと定めよ!

前回の記事では、介護職のキャリアプランの立て方をご紹介しました。

今回は「キャリアアップ」の方向性と、それを成功させる重要な要素を考えてみましょう。

自分の進みたい道と現在地を考える

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前記では未経験から収入を上げるキャリアアップについて、管理職になることをお勧めしました。
しかしもちろん、管理職以外の道もあります。

例えば介護職員として現場を楽しい場所にしていくのもキャリアアップの方法ですし、介護職員を教育する講師の道もあります。会社の事務的な仕事に携わるのもひとつの手段です。
また、介護以外にも機能訓練指導員や鍼灸関連、マッサージ関連の資格を極めている方々もいます。
彼らの中には、最終的に独立を考えていらっしゃる方もいるかも知れません。

キャリアアップを成功させるには、自分が向かう方向と現在地を知っておく必要があります。

キャリアアップを考える基準

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キャリアアップを成功させるためには、どんな基準で考えればいいのでしょうか?
考える軸になるものは、どんなものがあるのでしょうか?
いくつか挙げてみたいと思います。

どこに資源を投資するか

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金額を基準に考えると解りやすくなるかも知れません。
たとえばキャリアアップのために資格を取得するとして、それに費やせるお金と時間を考えます。そしてその資格を取ったことによって、自分にどれだけのリターンがあるかを想像してみましょう。

資格を取ることでキャリアアップを図れるのなら、「この資格に費やした時間とお金が無駄だった」とはならないはずです。
資格を取ったのに給料が上がらない……といったことにならないよう、1度自分が使える時間とお金を考え、それからいくらぐらいの収入が得られるか考えてみてください。

介護に携わる人は、金銭に関することを考えるのがどうも苦手のようです。
しかしここをはっきりさせておかないと、費やした時間とお金が収入に結びつきにくい上、自らも疲労感が出てきてより一層稼げなくなります。
キャリアアップに成功する人達は、自分の時間とお金をどこに投下すれば効果的なのかをきちんと把握しています。

無資格から介護職のスキルアップを図るためには

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福祉系の大学や学校を出ている人はいくつか資格を持っていらっしゃるでしょうから、それをもとに同じところで長く働いていれば、必ず収入が伸びるはずです。
もし収入が入社した時から3年間変動しないとしたら、その会社か、自らに必ず原因があります。

無資格で介護の世界に入ったならば、その会社が求める資格(この時、大概の会社は金銭面でいくらか助けてくれます)と、自分が取りたい資格をうまく調節しながら取得していくことで、スキルアップが図れます。

スキルアップの途中での困難も予想しておく

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この原稿を書いている間に、私の友人が先日のケアマネ試験に合格しました。今年の試験は難しくなっていたらしく、しかも今後は試験範囲も広くなっていくそうです。
また、合格したのにも関わらず、今度はその後のケアマネの講習にも合格しないと仕事をさせてもらえない体制になったそうです。
友人はその講習の抽選に漏れてしまったので、ケアマネの仕事をすぐにはできません。(さらに、その研修期間は15日。指定された曜日に1日も来ないとダメで、振り替えがきかないそうです。費用も5万ぐらいかかるそう)
つまり11月に合格して、やっと仕事をできるのが4月以降。ケアマネで収入を目論んでいた人はどうしたら良いのでしょう。

このように、試験も難しくなる・キャリアが認められないなど、制度がくるくる変わる介護業界。
私達はしっかりとアンテナを張っておき、今後どうなるかを予測し、最低2つ以上の介護に関する資格は持っておくべきでしょう。

やはり国家資格?

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リスクを最小限に押さえたいのなら、取得する資格は国家資格を軸に考えておくほうが無難だと考えます。
ケアマネは国家資格ではないので、いざという時に消滅してしまう恐れもあるかも知れませんし、市町村単位なのでどうなるか予測がつきにくいのです。

ただ国家資格とは言え、介護福祉士や社会福祉士の給料は現状良いとは言えません。しかしこれからは、国は介護福祉士や社会福祉士を取得するメリットを持たせようとしています。
雇う側からしても、国家資格を持っている人は対外的な信用が得やすので、雇いやすいのです。
無資格の人を雇いにくいような形に法整備をしてくるでしょう。

やはり心配は……

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キャリアアップで1番解決したいことや不安なことは、やはり収入ではないでしょうか。
SNSを見ていても、介護職に携わっている人の退職理由は、人間関係と同じくらい給料問題が多いようです。
その投稿の中でも、手取り13万、14万、15万といった投稿には憤りを感じずにはいられません。
このような給料しか出せずにいること自体が、その経営者側が我々介護職員を軽く見ていると感じます。
求職者も、そんな所で働いてはいけないのです。

そのためには、他の方々に応援をしてもらう必要もあります。そのためには、次のような考えを念頭において行動しなくてはなりません。

介護以外の人間関係を持っておく

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どんどんステップアップする人はよく勉強会に出ていますし、介護職以外の人間とも付き合いがあります。
このような関係が意外に効果的だったりします。
異業種の友人が多いと、見聞きしたその業種のノウハウをそのまま介護に持って来て、役に立つことが多々あるからです。
モニタリングで写真を加工したり、施設のHPを作ったり……介護職員の方はPC作業を苦手にしている方も多いため、それができると重宝されます。
自分と違う環境にいる人とのつながりを、近年では「ウイーク・タイズ」と呼び、キャリアアップを成功させる要因となっています。

リスクを恐れない

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責任のある役職に就くのを嫌がる人もいるかも知れません。しかし、責任のあるポストに就くことは紛れもないチャンスなのです。
より高い給料が欲しいというのであれば、与えられたチャンスを積極的につかんでください。

他人の考えに寛容になる

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会社で収益を上げるためには「この人と働きたい」「この人と働いていると楽しい」という気持ちを自分の周りに持ってもらわなくてはなりません。
そのためには自分の考えをいったん置き、他人の考えに寛容になることが必要です。これが出来て初めて、協力者が増えてきます。

介護というチームワークの仕事をしていると、どうしても自分の価値観と違う人と会い、一緒に仕事をする機会が多くなります。
そして相手の価値観を認めてあげなくてはいけない場面が、数多くやってきます。その時は、相手を尊重してあげることです。
「どうやったら、相手が自分に気持ちよく協力してくれるか」。この主題のためだけに動きましょう。
自分のプライドばかり出していると、相手もプライドを出してきますので、ぶつかりあって問題がこじれることになります。いつの間にか相手と感情でぶつかっているわけです。それでは逆に、恨みを買ってしまいます。

考えるのに必要なのは、今の自分

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このようにキャリアアップの考察を振り返ってみますと、介護職を始めた時に好きか嫌いかなんて関係ありません、やっている「今」がどうであるかです。きっかけは何でもいいのです。

また、大切なのは「方向性」。どのような形で給与を頂き、その額を上げていこうとしているのか。
そしてそのキャリアプランを進めていく途中で、どんなものが障壁になるのか。
ぜひ参考にして頂けたら幸いです。

参考文献
・『希望のつくり方』著:玄田有史 岩波新書
・『新しい幸福論』著:橘木俊詔 岩波新書
ABOUT ME
坂本晋二
青山学院大学を卒業後、水商売の世界へ。140人のコンパニオンと3店舗のシフト管理や求人を行う人材開発部長として活躍。その後、独立してエステ店の経営を行った後に、介護業界に関わる。デイサービス管理者を経験し、介護従事者の物心両面の充実が、ご利用者様へのサービスの向上には最も必要と考え、自ら主催する勉強会において「日常生活に役立つワーク」を、そして、個人カウンセリングを、介護者や経営者に行っている。